メモリアルダイアリー

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自分が特撮番組を見たときの気持ちや、日々の生活の中で感じたことを自由気ままに綴ろうと思います。

感想『仮面ライダービルド New World 仮面ライダーグリス』感想 2

グリスブリザードの変身までを描いた前回。

 

 

 

matsu-memorial.hatenablog.com

 

美空を救う、世界を守る思いでブリザードへと変身し、首相官邸を登っていくグリス。

再び対峙するメタルビルドとの攻防だが相手はホワイトパネルをグリスから奪取し、ファントムクラッシャーとホワイトパネルを使い、ファントムビルドへと変身する。

グリスはその圧倒的な力の前にやられてしまう。

 

この時、カズミンが浦賀のことを悲しい奴と評する。

科学しか周りになく一人ぼっちで生きてきた浦賀と、猿渡ファームや戦兎たち「仲間」がいる一海。両者の決定的な違いはそこである。

ただ、科学者というものは往々にして一人ぼっちな気もする。巧だってそうだ。エボルト打倒のため、悪魔と言われても一人でライダーシステムを完成させていた。

 

浦賀は旧世界で自分の科学は評価されず、一人で苦しみ、あげくロストボトルの被験者となって死んでしまう。「科学」による被害者というのは間違いないが、その憎しみで世界を征服というのはやはり歪んでいるよなぁ。王道の悪役というのが少なかった仮面ライダービルドにおいてこういった王道の敵は新鮮であった。

 

:グリスパーフェクトキングダム!!

 

 ファントムビルドの猛攻により変身が解けてしまったカズミの前に現れたのはパーフェクトキングダムを持った万丈である。

 

万丈は三羽カラスのドッグタグを持っており、意味を察した一海は三人の命を無駄にしないように必ず勝つことを誓う。

 

同時刻幻徳は紗羽が救出し、巧が作り出した変身機能を復活するアイテムをわたし、更にはその変身能力を取られないようにするアイテムを飲ませ、首相官邸近くのダウンフォールを倒すためにプライムローグを構える幻徳。

 

また別の場所では戦兎と、本人の願いによって戦兎が作ったネビュラガス吸収装置に入り、記憶をすべて取り戻した内海さんが二人並んで街を破壊するダウンフォールの前に立つ。

そしてクローズマグマと肩を並べ、一海は三羽カラスの力を使ったグリスパーフェクトキングダムに変身する。

 

この変身シーン、武田航平さんのすべてが詰まった変身だった。何も言わない、ぜひ見てほしい。できれば映画館で。

 

 

ゴールドを基調とし、赤、青、黄色の各カラーが所せましと入り、スタッグやオウル、キャッスルのデザインも盛り込まれこれこそ「ファーマーズフェスティバル」「パーフェクトキングダム」である。 

 

 

 

 :最後の祭り

 

5人が各地で変身し、次々とダウンフォールを倒していく中、グリスとファントムビルドが最終決戦を始める。

また、クローズマグマが美空を救い出すとその手を払いのけてグリスのもとへと走る。

 

今回このカットの前に美空の泣きのシーンがあったのだが、凄く心にくる。高田夏帆さんの泣きの芝居は本編のハザードの時や最終回、三羽カラスと初めて戦った時など何度かあるが、そのどれもがすごく刺さるのだ。

 

泣き叫ぶような、でも熱の篭ったいいお芝居をされる。今回もグリスのことを浦賀に「絶対に勝つ、正義のヒーローだから」ということを言うのだがもうこちらも涙が止まらない。

 

カズミンがどういう人間か旧世界からずっっと見てきた美空が、死に際を見た美空がそういうことを言ってくれる。涙がこぼれないわけがない。

 

ファントムリキッドと同等のものを摂取し、変身したジーニアス、マッドローグ、プライムローグ、クローズマグマはダウンフォールの攻撃をものともせず、破壊していく。

 

内海さんが難波のためにではなく、民衆のために戦う所が素敵だった。旧世界からいろいろ私利私欲にもまれ、「普通の生活」を望んでいた内海だったが、新世界でようやく仲間を得られ、普通の生活を過ごせるだろう。

 

ジーニアスはファントムクラッシャーの攻撃をモロにくらっても無傷で必殺技を放っていたのが最強フォーム感あった。(多分ダイヤモンドフルボトルで即防いだ。)

 

応募限定フォームのプライムローグもついに銀幕デビュー! エボルフェーズ1を押しのけるほどの強さを持つプライムローグでファントムクラッシャーを一網打尽。

 

ヒゲ、ほんとにかっこいい。 決め台詞ずるないか。

 

グリスパーフェクトキングダムとファントムビルドは一進一退の攻防だが相手はホワイトパネルを吸収しているため分が悪い。

 

徐々に押し切られるグリス。 

そこに流れる川井憲次節炸裂のBGM「ジーニアスフィニッシュ」

 

ジーニアスフィニッシュ

ジーニアスフィニッシュ

 

 

 

そしてカシラ渾身の叫び。仮面ライダーとして戦うことを運命とした者の強さ。守る者がいる事の素晴らしさ、強さ、優しさ。守るものが居ない者の寂しさ、弱さ。

 

それら全てを必殺技に込めてファントムビルドを倒し、ホワイトパネルを取り戻す。

 

その叫びを、戦いを影からしっかりと目に焼き付けていた美空。

 

ドッグタグを握りしめ再び1人になってしまったと悲しみにくれる一海に「守ってくれてありがとう」とお礼を言う美空。

 

「礼ならあいつらに言ってやってくれ。」

 

ここでこのセリフを吐けるのがカシラの器のでかさなんだよなぁ。ほんと最高だよカズミン。

 

と思いきや普通にカズミンの元に走ってくる三羽カラス。ファントムリキッドが身体から抜けたことで元気になったということらしい。

 

戦兎の提案で死んだように思わせた方が感情の昂りでハザードレベルが上がり、パーフェクトキングダムを使いこなせるからだという赤羽。

戦兎のしたたかさが強烈に出てた今作。やっぱ父親がエボルトだからかな?()

 

カズミンの「悪魔の科学者めーーー!!!」という所でカットが切り替わる。

ここ、ギャグシーンだけど結構深い意味がこめられていると自分は思っていて。

 

旧世界、葛城巧のころからずっと戒めのように自らを称し、また周りからも言われ続けていた「悪魔の科学者」という呼称。

 

これが今回は笑い飛ばせるほどのものとして再び返ってきた。

これはそれくらい信頼が出来、絆を感じることの出来る仲間ができたからに他ならない。

 

呪いのように降り掛かっていた「悪魔の科学者」というものは今作を持って呪いではなくなったように思えたのだ。

 

まあ、戦兎はそんなことどうでも良く「分かってないなぁ、それくらいしないと使いこなせない難しいアイテムってこと」とかなんとか言っていたが、、。

 

この時、巧も政府研究所に復帰し、忍から謝罪を受け、仲直りをしたということを幻徳から聞く。

「やっぱ家族は仲良くないと。」というセリフを戦兎が言い、それを見守る万丈のカットが入るのだ。

 

戦兎にとってはこの仲間たちこそが家族である。どこかで父親と仲直り出来ていない巧のことを気にかけていたのかもしれない。

 

と少ししんみりする横でヒゲを剃った幻徳が紗羽さんとホテルで朝まで語り合ったことを公言する。

 

ついに結ばれた2人!いやー良かった良かった。本編後半からフラグあったからようやくくっついてくれた。良かった。

 

そこに急に現れた内海が云々~でドタバタビルドコメディがラボで行われてハッピーな気持ちになる。

 

場面は変わって美空が移動式nasitaで喫茶店を営む所をぼーっとみて独白するカズミンという部分。冒頭と同じ。違うのがひとつ。

 

美空がカズミンの袖を握り、「私と付き合ってよ。

 

:仮面ライダービルドが描いたもの

 

最終章はここで終わり、完全にハッピーエンドで幕を閉じた仮面ライダービルド。

 

本編の戦兎と万丈の出会いから物語は始まり、最上の平行世界消滅作戦、三国でのライダー戦争、ハザードトリガーによる守るべき力のヒーローが人を殺めてしまう兵器の力を見せつけ、全ての黒幕である宇宙外生命体「エボルト」の全貌が明らかになっていく。

そしてパンドラタワーの設立、新国家の建造、ブラッド族の暗躍にエボルトとの最終決戦。

 

世界は新世界へと進み、エボルトの兄、キルバスの出現と旧世界の記憶とエボルトの復活。

そして旧世界の科学の被害者、浦賀による世界征服のテロと、それを阻止する5人の「希望」の仮面ライダー

 

ビルドは「ベストマッチ」を軸に2つの相反するものを描いてきた。天才とバカ。ヒゲとポテト。戦争と平和。愛と破壊。科学の表裏、守るべきものと守れなかったもの。、、、etc

 

とまあ挙げればキリがない。読本にも書いてあったが戦兎がたどり着いた新世界創造は最上による平行世界の破壊とリンクしているという話だ。 科学によって世界が消滅するのか、救済されるのか。これもまた相反するものである。

 

 

 

私はビルドの第1話を見た時、必ず面白くなると思った。 事実面白かった。人によって賛否はあるだろうし、エボルト復活に否が多いのも頷けなくはない。

それでも大好きなのだ。仮面ライダービルドを愛している。

 

作品を通して戦兎達は愛と平和を胸に掲げて戦ってきた。旧世界は救いきれずに滅ぼしてしまった。けどパンドラの箱のように最後に残った希望で新世界を創造した。

 そして新世界で最っ高の終わりを迎えた。確かに今回の「仮面ライダーグリス」も「え?」ってところは何か所かある。内海さんが人体実験を受けていないのに記憶が戻るところとか、まあでもそんな些細なことはいいのだ。熱い展開が60分繰り広げられていたのだから。

 

おそらく続編はもうなく、小説を残すのみとなったであろうビルド。

願わくばVシネ「仮面ライダーローグ」なりなんなりあってほしいと切に願う。