感想 仮面ライダーゼロワン4話 『バスガイドは見た!アンナ真実』
令和一号ライダーも今週で一か月。早いものだ。
平成が終わり、本格的に令和ライダーがスタートしたが、根本的な部分は今までの平成ライダーとは変わらず、進化するところは進化する。残しておくところは残しておく。というように見受けられた一話だった。
といったところで今回も感想行きましょう!
:今回のヒューマギア「バスガイド型AIアンナ」
飛電或人の特徴としては、社長自らがヒューマギアの職場視察をしに行くということである。いきなり社長になり、てんやわんやになりそうなところだが自身の会社の商品であるヒューマギアの仕事をきちんとその目で見にいくというのはやはり器が広いと感じさせられる。
中学生を乗せた観光バスのガイドをしていた「アンナ」を視察するため社長自らバスに同乗するところから話は始まる。そのバスは12年前、負の遺産として語り継がれ、不和の過去を蝕み、ヒューマギアへの憎しみを募らせた「デイブレイクタウン」へと向かっていた。
世間に流れていた「デイブレイク」はヒューマギアの整備不良による爆発と報じられていたが、不和の言葉「ヒューマギアによる人間の大量殺戮」を思い出していた或人。
立ち入り禁止区域があり、その外から「デイブレイクタウン」「デイブレイク」の説明をする「アンナ」。そのバスの運転手もヒューマギアであり、シンギュラリティを起こしオニコマギアへと変身する。
そこに駆け付けるバルカンとバルキリーと、番組が始まって数分でトントンと展開される軽快さ、頭にたたきつけられる情報量の多さ。4話にして「デイブレイク」の謎へ迫っていくテンポの速さ。エグゼイド、ビルドで感じた話のスピード感をひしひしと体感する。
その戦闘の隙間、逃げ遅れた中学生、郷を保護する或人は郷の父親が「デイブレイク」を起こしたと非難を浴び、いじめのような扱いを受けていること知る。
「アンナ」はヒューマギアとして、仕事として「デイブレイク」の真実を知るためにもう一度「デイブレイクタウン」に行くべきだと或人に主張する。そしてそれを飲む或人。
また、副社長は何かを隠しているシーンもあり、「飛電インテリジェンス」の隠蔽したいこと、闇の深さも見受けられる。
いつの時代も「正しさ」が「正義」とイコールではないと。知らない方がいい「真実」もそれを突き通せば「正義」になるというのは間違いではない。或人がこれらの問題にどう対処していくのか。社長としての度量が試される日を楽しみにしている。
:「デイブレイク」の真実
真実を確かめるために「デイブレイクタウン」へと赴く不和と郷。彼らは二人とも「デイブレイク」をきっかけに似たような悩みや辛さを持つものとして描かれ、「デイブレイク」の真実を知るために行動していた。
その時、唯阿に渡されるパンチングコングプログライズキー。出所が不明である。飛電にスパイがいるのかどうか。謎は深まるばかりだ。
パンチングコングの出処はどこなんだろ。飛電がキーのデータを隠蔽していると言ってたけど唯阿と飛電の誰かが繋がってる?
ここで思ったのだが、高橋さんが書く脚本では玩具に特別な意味を持たせているパターンが少ないということ。『ビルド』の「フルボトル」はそれ一本一本に意味があり、集めることで世界を滅ぼす力を得られる、、というような描かれ方をしており、序盤から集めると何かが起こるんだろうなぁ…と視聴者も感じる画作りがされたいた。
また、『ジオウ」でも「ライドウォッチ」にはそれぞれの平成ライダーの歴史が込められている。という風にアイテム自体に意味があった。
対して今回のゼロワン、キーを集めることに意味があるのかないのか、というところが不鮮明であり、イズがマギアの特性をスキャンし、それに合わせた生物のキーを作る。ということしか味方側では描かれていない。むしろ敵側の滅亡迅雷.netのほうが集めて何かを企んでいる様子すら見受けられる。
これが戦略として良い悪いのかはともかく、ドラマをゴリゴリに進めることができるというのは大きなメリットだよなぁ。
少し話が逸れたので、戻す。軌道修正。
「真実」を知りたい不和、郷。そして歴史をお客様に説明するために記録しなくてはいけないと仕事を全うするアンナとともに或人は「デイブレイクタウン」へと入る。
:正体バレ
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トリロバイトマギアが襲い来る中、或人はいままで隠していた自分がゼロワンだということを不和に知らせるため、横で変身する。
不和が「飛電インテリジェンス」に対して隠蔽体質だと称しているのを知っていた或人は、自分に隠し事はないということを証明するために自ら正体を明かした。オニコマギアと戦い、イズがインプットしたデータから作った「フライングファルコン」のキーを使って空中戦を仕掛けるゼロワン。
このあたり、或人の信念が見える。隠されたことを知るためには自分に隠し事があってはならない、という意思表示にも見える。不和もそれに対し或人への見方が変わるといいなぁ。
不破さんは飛電やヒューマギアは許せないけど或人のことは信用する。みたいな立場になっていくのかな
「正体バレ」を特に重く描くことなく、でも或人の隠し事はしない。という心情とリンクさせてサラッと描く感じ。良い
:新フォーム、ゴリラ
力技で変身する不破の新フォームは「パンチングコングキー」を使ったゴリラを纏うフォームである。「デイブレイクタウン」の中に侵入した郷やアンナを守るため不和はパンチングコングに変身し、トリロバイトマギアと戦闘する。
郷はそのさなか、父親が悪いというレッテルを受け入れようとしていたのだが、不和は戦いながらそれは違うと、前を見続けて生きろ。と励ます。
自分と似た境遇だからこそ、気にかけてしまうそんな優しさが垣間見えた。
郷が見つけたhidenの文字が描かれたmicroSDをアンナが解析しようとした刹那、落ちてきたオニコマギアに有線ハッキングされ、トリロバイトマギアへと変容してしまう。
が、「アンナ」としてのデータが少しだけ残っておりそのmicroSDに残されていたデータを映し出す。そこには郷の父親は滅亡迅雷.netによるヒューマギア暴走をこれ以上広めないために自身を犠牲に施設を爆発させたというところであった。
それを見たバルカンはマギア化したアンナを破壊することはせず、AIMSに連れていくという。不和もすべてのヒューマギアが悪いわけではないということをどこかで理解しているのだろう。そのあたりの深堀りもいずれされるであろうが、不和によるその線引きとかも明示されると嬉しい。
が、「アンナ」が変容したトリロバイトマギアは何者かの手によって消滅させられてしまう。或人も不和も反応できず、それが滅亡迅雷.netの手によるものだということも分からないまま、場面は変わる。
高橋さんの脚本として敵対していたライダーが仲間になるというのは『エグゼイド』の例があるのでいずれ滅亡迅雷.netの二人も味方になるかもしれないが、永夢とパラドのような奇跡的な関係性で描けるのか不安である。もし敵のまま突っ走るのならばもっともっと悪役に描いてほしいという願いもある。
:ヒーローになった父親
郷が見つけたデータから、「飛電インテリジェンス」が公表した新たな「デイブレイク」の真実は郷の周りの目を変え、父親をヒーローに変えた。そして郷に笑顔が戻った。
或人のした行動は或人の知らないところでまた一つ「笑顔」を生んでいたのだ。お笑いだけじゃない笑顔。これからも描いていってほしい。
そして不和の笑いのツボのやばさ。ゼロワンは最初からシリアスな展開が続いているのでこういうのはありがたい。暗くなりすぎないようなバランス。難しいと思うが続けてほしい。そしてイズがハッキングされてギャグの解説をせず、或人の手で破壊するようなシナリオがクリスマスに来る…(完全な妄想です。)
今年のクリスマス回はイズがギャグの解説をしなくなって或人が慟哭しながら解説してくれって叫ぶ回だと思ふ()
そして謎がまた一つ、「アーク」という単語。
それが明かされるとき、物語前半の山場になりそうな予感である。