メモリアルダイアリー

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自分が特撮番組を見たときの気持ちや、日々の生活の中で感じたことを自由気ままに綴ろうと思います。

『ウルトラマンコスモス』に魅せられた優しさ、強さ、勇気。

現在テレビ東京系列毎週放送、そしてYoutubeで毎週更新されている『ウルトラマンタイガ』、「ウルトラマンタロウ」の息子が主役のウルトラマンが今やっている。

www.youtube.com

 

ウルトラセブン」の息子「ゼロ」や「ウルトラマンベリアル」の息子「ジード」ときて今回は「タロウ」の息子である。

一時期は低迷しTV放送もなくなった『ウルトラマンシリーズ』だが息を吹き返し、再びTVの前で見られるようになった。有難いことだ。今回ここで書くのは『タイガ」ではないのでここらへんで。あ、「タイガ」めちゃめちゃ面白いのでぜひ見てください。

 

 

ウルトラマンにはまった最初の戦士 コスモス

 

ウルトラマンコスモス』2001年7月初旬から2002年の9月末まで全68話+映画を3作も公開した今現段階で一番放送期間の長かったウルトラマンである。

ウルトラシリーズ35周年&円谷英二生誕100周年記念作品として誕生したウルトラマン21世紀初の作品であり、フィルム作品として最後の作品でもある。

2002年というと私は5,6歳の時期でありちょうど仮面ライダーアギト龍騎あたりと並行して視聴していたような記憶がある。特にその時期は『コスモス』のほうに熱が入っていて動きを真似したり、何度も録画したビデオを繰り返し見たりしていた。

そして主人公の春野ムサシ役に杉浦太陽さんを迎え、本作は走り出した。

キャッチコピーは「強さと優しさを兼ねそなえたウルトラマン

 

 

:のちのウルトラ作品に与えた影響

このウルトラマンコスモス、今までの作品とは大きく異なる点があり、そしてそれがそのまま番組の特徴、ひいてはコスモスというキャラクター自体の説明にもなりうる。

その特徴とは「怪獣をできる限り倒さない。」というものだ。これまで怪獣は倒して解決してきたウルトラシリーズに倒さない、という選択を放り込んできた。

これは私が当時幼いこともあったが、すごく好きだった。一部のファンからはカタルシスがないという意見もあったようだが試みとしては間違えていないしむしろ本来の視聴者層である未就学児とその親、特に母親にとっては良いコンテンツだったようにも思える。「コスモス」のようにやさしくしてあげて、というような教育にも使える。

また、この怪獣保護という観点はのちの作品の『ウルトラマンX』にも見受けられる部分が多い。ただしこの作品には「コスモス」は登場しない。遊星ジュランというアンサーがすでにあるからかもしれない。

怪獣が暴れる要因としては、保護チームである「チームEYEZ」とは別に防衛軍というものが存在し、「怪獣」というだけで排除攻撃を開始することで暴れる、ということや「カオスヘッダー」と呼ばれる怪獣を変容、暴走させる意志ウイルスのようなものという外的要因を作り、「怪獣は必ずしも倒すのではなく、分かり合える道を模索、隔離地域に送り、共存を目指す存在」として描かれた。また、初代ウルトラマンでは敵だったバルタン星人など、過去作の怪獣もマイナーチェンジをして登場しており、昔のウルトラマンを見て育った親御さんが見ても楽しめるようになっている。(後年の『ウルトラマンマックス』はそれ以上だが)

 

何はともあれ、怪獣の凶暴化を「カオスヘッダー」という外的要因に移し、怪獣本来は悪くない、というスタンスで話を進める今作は今見返してもなかなか稀有な作品であると感じる。中には例外もあり、カオスヘッダーが関与していなくても悪い怪獣や異星人も登場し、必ずしも保護という道を取るわけではない。倒すという選択肢もある。そういう場合に「コロナフォーム」へとタイプチェンジをする。これまでのウルトラマンと違い、フォームに明確に理由があるのもコスモスの特徴だと感じる。

 

「優しさ」の青い「ルナフォーム」、「強さ」の赤い「コロナフォーム」だ。

これまで、青を基本フォームの基調としたウルトラマンはテレビでは出ておらず、このコスモスが初であり新しいことに挑戦しているなぁ。と今は思う。当時はかっこいい!!の一点張りである。また、後続の『ウルトラマンR/B』で「ウルトラマンブル」が登場するまで青が基調の主人公ウルトラマンは存在していなかったこともコスモスの特異さを際立てている。

 

:勇気の物語

また、物語後半金環日食とムサシの勇気により得た新フォーム「エクリプスモード」が登場し、物語に幅を広げる。このエクリプスモード、なかなかにチートで「優しさ」と「強さ」を持ち合わせ、かつムサシの勇気もパワーアップの一因であるため、邪悪なものにしか効かない光線や、ピンポイントでカオスヘッダーを取り除いたりやりたい放題である。

 

ウルトラマンコスモス vol.8 [DVD]

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 しかし、活動時間は1分であったりムサシの勇気が必要不可欠なため、コスモス単体では変身できなかったりと制限もある。

このエクリプスモードの声が好きで何度も真似したことを覚えている。コスモスの声を担当されている佐藤浩之氏は本編が終わった後の作品や映画『ウルトラマンサーガ』でもコスモスを演じてくれ、この10月にプレミアムバンダイから発送されるコスモスへの変身アイテムである「コスモプラック」でもコスモスの声を新規収録してくれており、歓喜である。

^-p-bandai.jp

 

 

私は『ウルトラマンコスモス』は「勇気」の物語だったと今にして思う。

ムサシは少年時代、雷雨の鳴りやまない日に初めてコスモスと出会い、その手に抱かれながら空を飛ぶ。そして物語は本編に進み、自分の力でムサシはもう一度空を飛べるようになる。その中には苦しみや辛さなどたくさんあった。それでも諦めないで勇気をもって夢を叶えた。

 そして映画では遊星ジュランという怪獣と共存するという星を創造するまでになる。

 

ウルトラマンコスモス』は一人の少年が夢を追い、あきらめず勇気を持ち続けた真の勇者のお話なのである。