メモリアルダイアリー

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自分が特撮番組を見たときの気持ちや、日々の生活の中で感じたことを自由気ままに綴ろうと思います。

感想 EP2019 ジオウのこれまで 前編

8月25日に最終回「2019:アポカリプス」を迎える仮面ライダージオウ

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https://www.tv-asahi.co.jp/zi-o/

注:ネタバレあり!

ジオウはこれまで、さまざまなレジェンドを出演させてきた。2018年のライダー、仮面ライダービルドから桐生戦兎、万丈龍我に始まり、オリジナルキャストとしてはクウガ以外の作品から1人以上は出演して番組を盛り上げてくれていた。平成ライダーを20作品追いかけ続けてきたものとしてとてつもないうれしさが込み上げてきたものだ。

 

がしかし、それと同時にレジェンドの扱いに不満があったのも間違いではない。

一介の特撮オタクとしては、アーマータイムのジオウとオリジナルのレジェンドのライダーが並び立って欲しかったし、レジェンドライダーから生き様のようなものをソウゴに教えて欲しかった。

これは、アナザーライダーの設定が足を引っ張ていたように見えた。放送当時の年代にいき、そこでアナザーライダーを生むことで本来の仮面ライダーは存在しなくなりアナザーライダーがオリジナルの代わりを過ごすというものである。

 

せっかくレジェンドを出演させてくれたのに記憶をなくし、ヒーローではない歴代の戦士から「君が持っていた方がいい気がする」というフワッとした理由だけでウォッチを渡す。前半のストーリーラインはどうしても私と合わなかった。

ビルド大好きな私からすれば、一年をかけて個を確立した桐生戦兎という存在がなくなり、葛城巧と万丈龍我がいずれライダーになるという終わり方だったため、余計にジオウの描きたいことが不鮮明になった。

 

良くいえば、ライダーにならない歴史になったことで巧や草加は死ぬということが無くなった、またライダーとして苦しみながら戦うことがなくなったので当人からすれば良かったという見方。

悪くいえば、アイテムをただ「なんとなく」という形でウォッチを渡すだけ、アイテムを渡す舞台装置になってしまっているという見方である。

そういう点では「平成ジェネレーションズFOREVER」は野上良太郎から「記憶こそが時間」「誰かの記憶の中にいれば、ヒーローは存在している」ということを教わったし、桐生戦兎からは、「現実や虚構は関係ない。ここにいることが重要」ということを知った。

 

レジェンドを出演させるのであればこういった意味を持たせて欲しかったなと言うのが率直の私の意見である。(もちろん神紘汰や門矢士といったシナリオに関わるレジェンドもいた。)

EP1からEP16までは何か違うような気持ちを抱いたまま過ぎていった。

  

 しかし、今思えばこれが2019年の仮面ライダー「ジオウ」における平成の看板を背負ったヒーローが持つ「個性」なのかもしれない。

視聴者の思い出や記憶を尊重しつつも全く別の視点から描きぐちゃぐちゃに、ごちゃ混ぜにする。これが「ジオウ」だと言わんばかりの圧がある。

 

レジェンド編が終わり、年明け一発目のEP17「ハッピーニューウォズ2019」

 

俗に言うミライダー編である。白ウォズを始め、シノビ、クイズ、キカイといった3人のライダーを軸にジオウの物語は加速する。 

ミライダーはオーマジオウがオーマの日に「救世主」ゲイツリバイブによって倒され、2019年以降も仮面ライダーが存在した未来からやってきたという設定である。

 

私が特にこのミライダー編で推したいのがクイズ編である。

 この仮面ライダークイズは2040年の未来から白ウォズによって2019年に来たライダーである。

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https://www.tv-asahi.co.jp/zi-o/rider/quiz/stand.html 

 

 このクイズ、顔が丸々クエスチョンマークなのである。顔に平仮名、カタカナときてついにマークまでそのまま使うのか!と思わず膝を打った。

また、このクイズに変身する堂安主水を演じる鈴木勝大さんの演技が素晴らしいのだ。

クイズは例によって前後編の二話構成なのだが、その中で描かれる父と子の物語が切なく奇麗なものでたった2話ながらもっとクイズの話が見たくなってしまったほどだ。

 

また、私は「特命戦隊ゴーバスターズ」が特に好きで、勝手ながら役者繋がり(鈴木勝大さんはゴーバスターズの主役であり、その話とクイズの話がリンクするような部分がある)ということもあり、ジオウという作品の中でも1、2を争うほど好きな話である。

 

続くEP21、22ではアナザーリュウガが登場し、あの須賀貴匡さんや津田寛治さんまで出演を果たす。また、この時に鏡の中のソウゴ=裏ソウゴと出会う。

これをリュウガと絡ませるのがうまい。仮面ライダーリュウガも鏡の中の城戸真司という立ち位置であり、龍騎では相反する存在だった。

しかし、今回描かれた話では当時とは違い、相反する存在も自分自身であると受け入れる話が展開された。当時と同じストーリーにはせず、レジェンド自身も成長するという話とリンクさせ、ソウゴ自身も自分の光と闇どちらも自分であると自覚しパワーアップを果たす。未来を予知するジオウ2となり、アナザーライダーの法則すら超越する力を得たのだ。

レジェンド編としても、ジオウのお話としてもすごく纏まっていた。

 

 

ミライダー編で提示された謎、それは常盤ソウゴが持つ「未来創造能力」である。キカイ編を通じてソウゴが願ったことが起きている、というような作劇であった。序盤のレジェンド編で「最低最悪の魔王」にはならないような雰囲気を視聴者に思わせたところで、「普通の」高校生にはありえない未来創造能力の存在を思わせ、やはり常盤ソウゴは「最低最悪」の魔王になる人物ではないか?と視聴者の熱を下げないまま物語を引っ張っていく。うーん、うまい。

 

その勢いを持ったまま、ジオウは新たなステップへと足を進める。

 

 

アナザージオウ、ゲイツリバイブの誕生。そしてジオウのエピソードの中で切っても切れない重要かつ爆エモのEP28「俺たちのゴール」

 

幾度もいがみ合ってきたゲイツがソウゴのことを「友達」と言う。ソウゴとゲイツが織りなしてきた物語の一つの着地点である。また、アナザージオウの変身者の加古川飛流もここで初登場する。

 

加古川飛流は簡単に言ってしまえば、スウォルツによる被害者であり、利用されたなんとも悲しい立場のキャラである。(詳しくはEP25から28をご視聴ください。

また、両親を亡くしたが常盤純一郎というおじさんや、ゲイツツクヨミにウォズといった仲間がいるソウゴに対し、両親を亡くしそのまま一人で生きてきて誰も仲間と呼べる者がいない飛流。そしてジオウになったものとアナザージオウになったもの。この二人の戦いを迎え、中盤は最高の盛り上がりを見せる。

 

ここまでのジオウで私は序盤のレジェンドの扱いや話の複雑さから一年見続けられるのかと不安を抱きつつ、これまでのライダーのIFの世界を描いていく本作品に少しずつ気持ちが入っていったのを覚えている。そして、普通の高校生常盤ソウゴ=「最低最悪の魔王」がどのようにして「最高最善の魔王」になっていくのか、最期を見届けようと思ったのである。

 

ゲイツリバイブが登場し、友達となったソウゴとゲイツ。ヒートアップしていくジオウの物語は現代のレジェンド編に続いていく。