感想 EP2019ジオウのこれまで 後編
※前編に続き、ネタバレあり!
前回、アナザージオウを倒し他ところまでの統括をした。今回は、後半戦へと進んでいく。
アナザージオウ=加古川飛流を倒したソウゴ達の次なる敵はアナザーブレイドだった。
ここからアナザーライダーの生成方法が変化していく。
一度生成方法のおさらいをしておくと、アナザーライダーは当時の時代で生成するとオリジナルのライダーが消え、乗っ取るという設定だった。また、そのアナザーライダーに対応したライドウォッチでなければ完全に倒すことができず、そのためにソウゴ達は各レジェンドからウォッチをもらうために動いていたというのが前半のお話である。
しかし、今回からはアナザーライダーが2019年で生成されており、対応したレジェンドライダーも普通に変身できるのである。
公式から詳しく説明されているわけではないが、おそらくは2019年で生成することにより、レジェンドが活躍した一年が消えたわけではないため並行して変身することが可能になったのだろうと推測している。
これにより、本来見たかった画が連続して映像化されていくのである。
EP29、30のブレイド編では剣崎一真(演:椿 隆之)と相川 始(演:森本 亮始)がTV本編以来の対峙を果たす。ジョーカーとなり、二度と会ってはならない運命の二人が十数年の時を経て再びTVの中で相まみえる。またアナザーブレイドの変身者はあの天音(演:梶原 ひかり)ちゃんである。
また、このEP30話でソウゴ、ゲイツ、ウォズの三人の力が合わさったトリニティライドウォッチが出現し、ジオウはジオウトリニティにパワーアップする。
と、同時にジオウの物語の最初から言われていたジオウがオーマジオウになる「逢魔の日」がこの時だということが明かされゲイツ、ツクヨミがいた未来である「最低最悪」の未来、そしてゲイツリバイブがオーマジオウを倒した「救世主」の未来が消え、新たな可能性の未来が創出されたこととなった。しかし、この時オーマジオウは消えておらず、変わらずオーマジオウになる未来は続いていたことが明かされた。
再スタートしたレジェンド編の一発目から怒涛の盛り上がりを見せ、内容も詰め込みまくりのジオウへの私の熱は加速していった。のだが、こういう演出ができるのであれば、最初からしてくれていても…と思ったのも本音である。
ただ、その場合完全にジオウのメンバーがレジェンドに食われてしまうという制作側の判断なのかもしれない。
さて、ここでジオウを語るうえで外せないのが門矢 士:仮面ライダーディケイドと海東 大樹:仮面ライダーディエンドである。
この二人は10周年記念作品の仮面ライダーであり、士に至ってはジオウ前半のゴースト編から登場していた。
海東はこのブレイド編のEP 29から登場し、より一層ジオウの世界を彩っていった。
続くアギト編では「六身一体」のジオウトリニティと実に久しぶりの登場となるアギト トリニティフォームの並び立ちというとてもスペシャルな画が見れて朝から興奮しっぱなしであった。劇半も「believe yourself」が流れ、アギトらしさが全開であった。また、ツクヨミは過去の記憶がなく、翔一も当時記憶喪失のキャラであったため、レジェンドらしくツクヨミを励ますのだ。
私がジオウで見たかったものがすべて描かれた二話であった。これこれぇ!とテレビの前で叫んだやべー奴である。
その後も桐谷京介が登場し、師匠を継いで響鬼へと変身を果たしたり、カブト編では加賀美が満を持してカブトへと変身する。このあたり、Twitterでも非常に賑わいを見せていた。このストーリーを良しとするもの、悪しとするもの。ジオウという作品において過去のライダーが書き換えられていき、それによって視聴者、ファンを巻き込んで論争が起こる。それほどの力を持つジオウというコンテンツそのものが非常に面白いなと感じた。
EP 39、40の電王編。イマジンズのコントを裏についに集まる20個のライドウォッチ。平成ライダーすべてを継承したグランドジオウの登場である。桜井侑斗の「お前は本当に常盤ソウゴなのか?」という意味深な発言など、新たに謎を残し、物語は最終局面へと進んでいく。
この侑斗の発言だが、これが映画「Over Quartzer」の常盤SOUGOのことなのかは定かではない。むしろそこを回収する意味はないのかもしれない。考察の余白が多分にあるのもこの作品の「面白さ」「らしさ」である。
そしてここから再び構成が変化し、3話構成へと変わる。また、士がストーリーにがっちり絡んでくるのである。
ジオウ通しての敵、「タイムジャッカー」はオーマジオウとは別の王を擁立するために動いていたといわれていたが、実際はスウォルツが新たな王となるための手駒に過ぎなかったことや、20の世界が存在し、仮面ライダーが存在しないスウォルツ、ツクヨミの世界が破壊されていく現象が起きていたことなど、終盤に差し掛かったところで新たな謎や今まで謎だったものが解き明かされていく。
それらを先読みしていた士は、世界の崩壊を防ぐかどうかを見極めるために動いていたということも明らかになる。それと同時に常盤ソウゴの成長も1レジェンドライダーとして見守っていた。
未来からの使者、仮面ライダーアクアの登場や、アナザーディケイドがアナザーワールドから呼び出した仮面ライダーエターナルなど、レジェンドの出演はここにきても続き、番組自体を盛り上げていく。
しかし、私はここで番組の熱とは裏腹に熱が下がる出来事があった。
他作品のレジェンドをジオウで殺すのは如何なものか🤔
これである。アクアこと湊ミハルがアナザーディケイドに殺されてしまうのである。
確かにレジェンドだから死ぬことはないという一種の先入観を逆手に取った脚本であるかもしれない。確かに度肝を抜かれたのは事実だ。しかし、それをジオウ最終盤の盛り上げ所に使うのは少しモヤモヤした。
前作のビルドで言えば猿渡 一海がグリスブリザードに変身し、消滅する屈指の名回「ゼロ度の炎」である。ジオウにおいても、そういう盛り上げ方、緊張感を出すのであれば、他作品のレジェンドではなく、あくまでジオウという作品のオリジナルキャラクターでして欲しかった。
後半のレジェンド編、アナザーワールド編で上がり続けていた熱が少し落ちてしまったのは悔やまれるが、士による人類救出作戦や、仮面ライダーツクヨミの登場。ソウゴはどうあがいても「最低最悪の魔王」になってしまうのか?ゲイツの「ソウゴとともにこの時代で生きていく」という願い。それらをラスト30分でまとめ上げられるのか。(白倉さん曰く2つ3つは回収されないと明言されているが…)
平成ライダーが20作品繋いできたバトンが終わる時。平成ライダー最後の1ページが8月25日の「EP2019:アポカリプス」によって綴じられる。
どのような着地を遂げるのか、非常に楽しみである。
20作、私の人生とともに「平成」を歩んできてくれてありがとう。
そして「令和」から新たにスタートするゼロワンによろしくと言いたい。