メモリアルダイアリー

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自分が特撮番組を見たときの気持ちや、日々の生活の中で感じたことを自由気ままに綴ろうと思います。

感想 『ビルド New World仮面ライダーグリス』ビルドヲタクの心を正確に貫く傑作1

先日公開された『仮面ライダービルド』の二作目のVシネマ仮面ライダーグリス』を見に行ってきた。グリスのスマホリング買った。パンフも買った。ふぉお。

仮面ライダー舐めんじゃえねぇぞコラ…!!

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興奮!熱情!狂熱!誰が俺を満たしてくれるんだよぉ!!(満たされました)仮面ライダーグリスをネタバレ全開で感想書いてきます!

 

 

 

 

:クローズから続く新世界の物語

 

matsu-memorial.hatenablog.com

 

 

 

この記事の時、ビルドはすこぶる「続編」と悪いと書いた。本編の「エモーショナル」な展開を作り手自らが壊さなければビルドは続編を作れないというアンビバレント、二律背反的な作品であると。私はこの「クローズ」ももちろん好きだが否の意見も必ずあることはわかっていた。何度も言うが私は本編が台無しになったとは思わない。

しかしまぁ今回の「グリス」は「クローズ」のその後であるため、それらの感情はすでに自身の懐にすとんと落ちているというか、そういった感情で見ることができると思われる。

 

:ドルヲタ、推しと付き合うってよ

ビルド本編のアバンコントでみーたん推しのドルヲタで仮面ライダーグリスこと猿渡一海が本編36話の冒頭で戦兎のナレーションを奪って録音していた大嘘である。

しかし今回は短編としてこれが先に放映された。カズミンの気持ち悪いところ全開で劇場内の人ほとんどが笑いを挙げていた。むろん私も笑いが止まらなかった。カズミンと言えばかっこよくて気持ち悪いで有名(?)なのだ。

その気持ち悪いほうに吹っ切ったのだからそれはそれは劇場の大画面であれは腹筋に悪い。

 

話は新世界でキルバスを倒した後の話であり、人体実験を受けたものはみな旧世界のことを覚えている状態で始まる。移動式nascitaで喫茶店を経営しており、カズミンはその様子をずっと眺めているところから始まる。もうキモイ。(誉め言葉)

その後みーたんの「(お父さんへのプレゼントのための買い物に)付き合って」という言葉を勘違いし、恋人関係になれると思ったカズミンはスーツ姿で待ち合わせ場所に行くというやばさ。ドン引きである。

 

そしてその買い物も終わり掛けのころ、カズミンは改めて意を決し、結婚を申し込むのだ。馬鹿だ…このドルヲタ馬鹿すぎる…。案の定振られてそのショックで無人島へ傷心旅行するというところまでがこの短編である。

しかしこの傷心旅行がまさかの伏線であり、本編に大きく影響するところが面白い。武藤さんはこういうホンを書く書くと思ったものだ。

 

とまぁ大スクリーンでやべぇキモヲタのやべぇ部分が大迫力(?)で映し出されていた。最高である。これが猿渡一海だ。そしてそれを見守る三羽カラスという構図。「ああ、ビルドだなぁ」と。

 

 

そして本編。旧世界の人間が新世界に一時的に出現したパンドラボックスによって記憶がよみがえり、どうのこうのというのをビルドお得意のあらすじ紹介で手早く済ませ、観客の脳裏にビルドを追いかけていた一年を思い出させる。

 

前作「仮面ライダークローズ」では登場しなかった葛城親子も登場し、父親の忍は再び研究に精を出し、旧世界の記憶をたどって新たな「ビルドドライバー」を創り上げていた。

また、新世界の政府も特殊要件の時のみ「ライダーシステム」を利用する形をとっていた。このあたり、ビルドが描いてきた「科学」と「戦争」の切っても切れない関係が再び描かれていた。現実でも同じものなんだよなぁ。戦争がないと科学が発展しないのは昔からだし。

 

どれだけ戦兎が「理想」を掲げ、「平和」な世界を維持するための「ライダーシステム」だとしてもその維持する力のために「ライダーシステム」を使わなければいけないかもしれないという感じ。「理想」はどこまで行っても「理想」でしかないのかもしれないな。

 

その研究所に現れた今作の敵 「浦賀啓示」とその手下「サイモン・マーカス」は忍が新たに作りだしたビルドドライバーを奪取する。この時幻さんのローグがもんのすごくかっこいい。

ヒゲのなくなった幻徳はただの超イケメンダンディである。

 

そもそもローグのスーツ自体かっこよすぎて後頭部に割れ物シールを付けられたという話があるくらいカッコイイ。それがドアップで映る。目が幸せで満タンになるのだ。

でもファントムクラッシャーは強く、変身能力まで奪われてしまい、幻徳は捕まってしまう。

 

:ダウンフォールという新たな敵

 

今回の敵、マッドサイエンティストであり、旧世界で葛城忍の同僚でロストボトルの被験者となった「浦賀啓示」率いるテロリスト『ダウンフォール』は「ファントムリキッド」と呼ばれる新たな物を持っており、そのボトルを使って「ファントムクラッシャー」というガーディアンに似たロボット型兵器に変身する。

しかも、ライダー達からネビュラガスを吸い取ることが出来るため戦兎達旧世界のライダーを変身不可能へと追い込むことも可能になっている。

葛城忍と肩を並べる元研究者が作っただけある。

その浦賀啓示の目的だが「ホワイトパネル」を奪い、新世界を自分のものにするという至極真っ当な悪役ぶりである。

また、ロストボトルの被検体は新世界においても完全に元には戻らないということが前作「クローズ」で言われており、顔の左半分の皮膚が剥がれ落ちかかっていたのだ。

 

『ビルド』という作品を描く以上、「戦争」と「戦争による被害」は必ず付きまとう。今回の浦賀もその被害者の1人である。

あと、ホワイトパネルからネビュラガスを抽出できることも今回明言された。あのパネルがあればまた戦争が起きそうだけどあのパネルがあればさらなる科学の発展もあると思うと、、、難しいなぁ。。

 

:戦兎達旧世界のヒーロー

 

戦兎達が前作から住処にしているラボに内海がおり、記憶を戻して欲しいと頼み込んできたのだ。

正確には人体実験を旧世界で行っていないため記憶が戻らないのでは?とも思ったがそれはあくまで前作「クローズ」で戦兎が予想しただけであるため、解析が進んで「ネビュラガス」の投与で記憶を戻せるのかもしれない。

 

記憶を戻す装置に内海さんを放り込んでその後、ファントムクラッシャーがそのラボに出現し、戦兎と万丈の変身能力も奪ってしまう。

 

ここ、戦兎と万丈久々の変身シーン(変身事態は不可能だったが)にものすごく痺れた。どれだけ時間が経っても息ピッタリ。ベストマッチなんだよなぁ。

 

で、難なくホワイトパネルを奪われてしまうのだが、それは偽物であり粉々に砕けてしまう。

それに切れた浦賀はパネルを持ってきた味方を撃ち殺してしまう。

浦賀の計画さえ達成できれば他はどうでもいいという、マッド感が強く出ていて好きなシーンのひとつだ。

 

:傷心旅行withカズミン&三羽カラス

 

前半の短編の最後、傷心旅行に行ったカズミンたちは無人島に着陸し、命からがらの生活をしていた。

ヒゲなしヒゲに対してヒゲありポテトになっていたり、スーツが破れていたり絵面が面白い。

 

傷心旅行から帰ってきたのもつかの間、ファントムクラッシャーがグリスの力を奪いに襲いに来るのだが、何故かネビュラガスを奪えずグリスに変身する一海。

 

後述するがこの辺の変身能力の奪える、奪えないの線引きやその出所、グリスがメインになる理由等ここに詰まっててひとつの線に繋がる感じ。ビルドだなぁ、武藤さんのホン好きだなぁってなるから、ビルドヲタクは行ってください。

 

:巧と戦兎 再び邂逅

敵に捕まった幻さんが一海に捕まったことを知らせる電話をしたり、かずみんがそれを聞いて戦兎のラボに行ったりとあって、その後戦兎と万丈は巧の研究室に向かう。

 

ヒゲを生やした巧も戦兎と万丈が現れたことで何かを察し、協力体制をとる。

この時の巧のセリフが本編からずーっとビルドを見てきた人にとっては救いの一言になること間違いない。

「ライダーシステム」を作り、戦争を引き起こした本人であり悪魔の科学者と罵られ、兵器利用されるとわかっていても作り上げ、後に戦兎の中で最後の方まで裏切った父親を許すことが出来ず、ネガティブな感情が多かった巧。

 

開発者本人のその巧が万丈の問いかけにこう答えるのだ。ヒーローが使えばそれは希望になると。

 

感涙必須である。 父親に裏切られたと思い、兵器として自分の科学が使われてきた巧が「希望」という言葉を言ってくれたのだ。

それも旧世界ではギスギスしたまま終わってしまった万丈に対して、だ。

本編の続編において楽しみの一つであるキャラ同士の関係性の変化である。そういうのが見れるのも本作の見どころである。

 

:カズミン、決意のグリスブリザード

浦賀に美空を捕らえられ、本物の「ホワイトパネル」をもって単身浦賀のもとに殴り込み、グリスブリザードへと変身する。

三羽カラスはその前に浦賀の変身したメタルビルドと戦い、完敗して巧の研究室で治療を受けており、単身となっていた。

その時、グリスパーフェクトキングダムの開発を戦兎とで共同開発しておりそれの完成には三羽カラスが命を懸ける必要がある。という話が浮上する。

 

実はグリスと三羽カラスが変身能力を失っていなかったのは傷心旅行の時、天然の温泉を見つけて騒いでいたのだが実はそれが「ファントムリキッド」の溜まり場であり、それに浸かった四人は体内にそれを取り込んでいた為、変身能力を失わないでいたというのだ。

まさかの冒頭の短編が話の肝になっているのだ。とんでも展開好き。

 

本編では死装束と称されていたブリザードだが、今回はすぐに死ぬということはなくなっていた。ネビュラガスの吸いすぎによる急激なハザードレベルの上昇もなくなっていた為である。

二度目のグリスブリザードの変身、「できてるよ」ではなく「変身!」の掛け声。

死ぬことを覚悟して戦った本編とは違い、新世界を守るための変身というのもまた良い。

グリスブリザードに変身した時の周りを覆う冷気が今回も大量でかっこいいんだよなぁ。

中澤監督はグリス初登場以降ビルドの現場から離れていたようなのだがTVシリーズを踏襲した演出に監督独自のエッセンスも加わってこれは、、、

 

と、グリスについて書きたいことが多すぎて少し長くなってしまったので、続きは2でまた!

 

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